大学生による地域資源磨き上げ大作戦!
2025.10.18
明大マー研空き家活性チーム、あいちの山里で歴史と古民家の魅力を探る
愛知県の山間地域と大学生をつなぐ地域創生プロジェクト「あいちの山里 大学生による地域資源磨き上げ大作戦!」で、明治大学マーケティング研究会空き家活性チームの2年生が1年生を連れ、公共交通機関を利用して現地を巡り、歴史遺産や古民家再生の取り組みを体験。東京での実践活動に向けて、地域の魅力を伝えるための学びを深めました。
1日目
最初に訪れたのは長篠城趾。戦国時代の激戦地として知られる史跡で、保存館では当時の歴史を学ぶことができます。藤木陸さんは「歴史的な価値が高い場所だと実感した。展示も充実していて当時の戦いの様子がよく理解できた」と評価する一方、「観光客向けのカフェや娯楽施設をあまり誘致できていないと言っていて、そこの課題を解決しないと観光客は増えないのでは」と課題も指摘しました。
続いて訪れた設楽原歴史資料館と設楽原決戦場は、長篠の戦いの舞台となった場所で、馬防柵の復元などが見られます。平田修士さんは「史跡の保護だけでなく、地元文化の継承や交通の利便性を通じた経済活性化にも取り組む必要があり、非常に複雑で難しい課題だと感じた」と分析。その上で「市役所ができることはもっとある」と提案し、「馬防柵の拡大や布陣跡の碑石設置、SNSの発信力強化、リピーター獲得による関係人口の増加」の3点を改善策として挙げました。
最後に訪問したのは古民家SO。地域の古民家を活用した交流拠点として注目を集める施設です。熊谷香織さんは「写真だけでは伝わらない魅力を発見した。木の温もりや取り囲む自然が与える空気感に肌で触れたことで、古民家の持つ可能性を広げたいと思うと共に、多くの人に知ってもらい訪れてほしいと感じた」と実体験の重要性を強調。また「店主の白頭さんの熱意あるお話を聞き、今までにない挑戦に私達も携わりたいと思った」と、地域の取り組みに共感を示しました。
学生たちは歴史資源の活用と空き家再生という地域課題に向き合い、実践的な学びを得ました。
2日目
2日目は新城市の鳳来寺山を訪れました。鳳来寺山は1425段の石段で知られる歴史深い山で、源頼朝が若き日に3年間匿われ、後に鎌倉幕府を開いた後、感謝の気持ちから本堂や三重塔、石段を寄進したという由緒ある場所。松尾芭蕉も訪れ「木枯に岩吹きとがる杉間かな」という句を詠んでいます。
学生たちは険しい石段に挑戦し、深い感動を得ました。山本美采さんは「1425段の石段は途中で何度も心が折れそうになったが、頂上にたどり着いたときの達成感はひとしおだった。汗まみれになりながら励む中で、自然の壮大さや歴史の重みを肌で感じられて、とても特別な体験だった」と語る。特に「殺生禁断の碑」に感銘を受け、「ここがただの山ではなく、命を大切にし、自然との調和を尊ぶ神聖な場所であることを教えてくれた」と、場所の精神性に触れました。
富田凜さんも「山の階段はすごくきつかったけど登り切った時の絶景と達成感にとても感動した。山はもちろん、街の雰囲気も素敵で、都会から来た人間としては非日常が味わえて楽しかった」と充実した表情を見せました。
李洋洋さんは別の視点から鳳来寺山の魅力を発見、「表参道入口から階段入口にかけて十二支像がそれぞれ建てられていて興味深かった。一つずつ見つけていくのが楽しかった」と探索の楽しさを語る。また「高尾山など東京に近いところで登山すると、人とすれ違ってもあまり挨拶しないのが普通だと思っていた。しかし、鳳来寺山では人とすれ違うたびに挨拶してくれたり、会話してくれたりと嬉しかった」と、地域の人々の温かさに触れた体験を共有しました。
学生たちは鳳来寺山での体験を通じて、歴史の重みと地域の温かさを実感し、東京での実践活動に向けた新たな視点を得ました。






