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2026.01.13

豊根村地域コミュニティ強化策の検討会 ~“あいちのてっぺん”豊根村に地域デザイナーを招き、既存施設の回遊策を考える!~


「あいちの山里関係人口拡大事業」で、豊根村の地域コミュニティ強化策を検討するため、東京・谷中を拠点に建築設計や地域に根ざした自社経営の店舗運営を行う一級建築士事務所 株式会社HAGISO代表で、日本まちやど協会 副理事、並びに東京芸術大学 特任准教授の宮崎晃吉(みやざき・みつよし)さんを迎え、12月12日(金)に村内の観光施設や資源を視察した他、地元の自治体関係者らを集めて講演会が開かれました。

 

豊根村を訪れた宮崎さんは、豊根村役場の担当者とともに、愛知県唯一のスキー場所「茶臼山高原スキー場」を視察。スキー場の来場者数や立地状況の他、レストランやカフェの運営についての説明を受けました。

 

 

また、村民の憩いの場となっている温泉施設「湯~らんどパルとよね」も見学。施設内の大浴場や大自然を楽しめる露天風呂などを周り、運営状況や泉質などの特徴を把握しました。

 

 

さらに、村の特産として、注目を集める“キャビア”で有名なチョウザメの養殖施設も視察。自然の水を生かして、長年に渡り、チョウザメの養殖に心血を注ぐ熊谷仁志さんの飼育法や今後の展望などを伺い、その情熱に心を打たれていました。

 

 

場所を豊根村役場に移して開かれた宮崎さんの講演会。豊根村の伊藤浩亘村長をはじめとする役場の職員や観光協会の関係者らおよそ10人を前に「分散した施設の回遊策を考える‐全国の類似事例紹介‐」をテーマに講演が行われ、豊根村が直面する人口減少や高齢化といった課題に対し、新たな視点から地域活性化の道筋を示すことや村の独自の魅力を定義することを目指しました。

 


宮崎さんは自身の活動の原点である東京・谷中の木造古民家の再生から始まり、飲食店や銭湯など数々のまちの施設を取り入れた「まちやどモデル」を紹介。地域全体を巻き込むまちづくりとして注目を集める「まちやど」は、まちを一つの宿と見立て宿泊施設と地域の日常をネットワークさせ、まちぐるみで宿泊客をもてなすことで地域価値を向上していく事業です。
東京以外でも、富山県氷見市に移住した夫婦が空きビルを再生した宿の運営方法や群馬県富岡市の空き家を再生したホテルの事例などを紹介。ゲストを単なる客ではなく「1日からの住民」と捉える事例です。富岡市の事例では、宿泊客が地元の人との散歩に同行し、ごみ拾いをするなど地域への貢献実感を通じて深い関係性を築く先進的なアプローチです。

 

 

宮崎さんは、「観光地を巡るだけの旅行ではなく、その地域に暮らしているかのような日常に溶け込む体験価値を提供することを目指している。明確なビジョンと哲学が単なる観光客ではなく、町のファン、そして未来の住民を惹きつける強力な磁石となります。豊根村が守りたい価値は何かを言語化し、共有することが、共感を呼ぶ第一歩です。」と話しました。
質疑応答では、地域活性化における若者との関わり方や地域の暮らし、古い家といった目立たない魅力のPRの仕方など参加者からの課題について議論が交わされました。
宮崎さんの講演は、課題を抱える多くの地域にとって、困難を嘆くのではなく、それを逆手にとって未来を創造するというメッセージが込められています。
今ある資源を見つめ直して新たな価値の「掛け算」を試みた先に、持続可能な地域の未来が拓けることを投げかけました。